エコキュートのメーカー比較記事は数多くありますが、そのほとんどが「三菱は清潔、ダイキンは水圧、パナソニックは省エネ」といった特徴の紹介で終わっています。
しかし2026年度は、メーカーの機能を比べる前に確認しておきたいことがひとつ増えました!
国の補助金「給湯省エネ2026事業」で、インターネット接続機能が必須要件になったためです。
この変更により、本体価格が安いという理由で選んだ機種が補助対象から外れ、結果的に高くつく逆転が起きるようになりました。7万円から最大14万円の差は、メーカー間の本体価格差より大きいことがほとんどです。
この記事では、失敗しないエコキュートのメーカー選びについて、補助金対象になる条件から絞る手順などを、公式資料の数値をもとにご紹介します。
あわせて、2026年の各社の最新動向と、カタログには載らない設置条件の制約もまとめましたので、ぜひご参考にしてください。
2026年のメーカー選びは補助金の要件から逆算しよう
まず押さえるべきは、2026年度の補助金は「機種の性能」だけでは決まらないという点です。
通信機能という、これまでになかった条件が加わりました。
インターネット接続が必須要件になった
給湯省エネ2026事業の公式サイトでは、エコキュートの性能要件がこう定められています。
省エネ法上のトップランナー制度において、2025年度目標基準値以上の性能を備えた「エコキュート」であり、インターネットに接続可能な機種で、翌日の天気予報や日射量予報に連動することで、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有するものであること、または、おひさまエコキュート。
— 給湯省エネ2026事業 公式サイト「対象機器の詳細【エコキュート】」
つまり、省エネ性能が高いだけでは対象になりません。翌日の天気予報や日射量予報を取得して、昼間の時間帯に沸き上げをずらす機能が必要です。
ここで見落とされやすいのが、追加部品で要件を満たせる機種があるという点です。公式サイトには、一部のエコキュートについて台所リモコンまたは無線LANアダプターを追加設置することで性能要件を満たすと明記されています。同じ型番でも、部品の有無で補助対象かどうかが変わるということです。
Wi-Fi環境がない住宅の場合は、「おひさまエコキュート」という選択肢があります。太陽光発電の余剰電力を活用するタイプで、こちらはインターネット接続がなくても対象になります。しかも2025年度の目標基準値を満たしていないものも対象という特別扱いを受けています。
エコキュートの設置場所によっては、宅内のWi-Fiが貯湯タンクまで十分に届かないケースは実際にあります。特に、北側の屋外や建物の裏側、基礎や外壁の陰になる場所にタンクを設置する場合は、家の中ではWi-Fiが普通に使えていても、屋外まで出ると電波が弱くなることがあります。
対策としては、まずWi-Fiルーターの位置を見直し、それでも電波が届かない場合はWi-Fi中継器を利用する方法があります。ただ、中継器も「タンクのすぐ近くに置けばよい」というわけではありません。中継器自体が親機から十分な電波を受け取れる場所に設置する必要があるため、屋外設置のエコキュートまで電波を飛ばしたい場合は、設置位置が重要になります。
住宅設備アドバイザー/エコ美エコキュートのIoT機能を重視するのであれば、機種選びだけでなく「実際に貯湯タンクを置く場所まで自宅のWi-Fiが届くか」を、設置前に確認しておくことをおすすめします。現場では、エコキュートそのものの性能よりも、こうした通信環境が原因でスマホ連携につまずくケースがあるためです。
加算要件は「AかB」の選択ではない
多くの解説記事が、加算要件を「A. 効率基準」「B. CO2削減」の2択のように書いていますが、これは誤りです。公式の記載は次の通りで、ひとつの要件です。
基本の性能要件の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないものとして、2025年度の目標基準値(JIS C 9220 年間給湯保温効率又は年間給湯効率(寒冷地含む))+0.2以上の性能値を有するもの。
「CO2を5%以上削減するもの=目標基準値+0.2以上」という定義であって、どちらかを選べるわけではありません。判定は年間給湯保温効率の数値ひとつで決まります。
その基準値は、貯湯容量と地域で細かく区分されています。
| 区分 | 想定世帯 | 貯湯缶数 | 貯湯容量 | 仕様 | 2025年度目標基準値 | 加算に必要な値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 少人数 | ─ | ─ | 一般地 | 3.0 | 3.2以上 |
| B | 少人数 | ─ | ─ | 寒冷地 | 2.7 | 2.9以上 |
| C | 標準 | 一缶 | 320L未満 | 一般地 | 3.1 | 3.3以上 |
| D | 標準 | 一缶 | 320L未満 | 寒冷地 | 2.7 | 2.9以上 |
| E | 標準 | 一缶 | 320L以上550L未満 | 一般地 | 3.5 | 3.7以上 |
| F | 標準 | 一缶 | 320L以上550L未満 | 寒冷地 | 2.9 | 3.1以上 |
| G | 標準 | 一缶 | 550L以上 | 一般地 | 3.2 | 3.4以上 |
| H | 標準 | 一缶 | 550L以上 | 寒冷地 | 2.7 | 2.9以上 |
| I | 標準 | 多缶 | ─ | 一般地 | 3.0 | 3.2以上 |
| J | 標準 | 多缶 | ─ | 寒冷地 | 2.7 | 2.9以上 |
※出典:給湯省エネ2026事業 公式サイト。「加算に必要な値」は目標基準値+0.2として算出。
一般家庭で最も多い370Lや460Lは、太字の区分E(一般地・320L以上550L未満)に該当します。この区分の目標基準値は3.5なので、年間給湯保温効率が3.7以上あれば加算3万円の対象になります。
カタログでこの数値を確認すれば、店頭で「補助金の対象です」と言われた内容を自分で検算できます。



現場では、見積書に具体的な型番や年間給湯保温効率が記載されていないケースもあります。「補助金対象です」とだけ説明され、型番が分からない場合は注意が必要です。補助金の対象要件は機種によって異なるため、契約前に必ず「メーカー名・型番・年間給湯保温効率」を確認し、対象機種であることを自分でも確認しておくと安心ですよ。
撤去加算は今使っている機器で決まる
補助額の3つ目の要素が撤去加算です。ここが買い替え層にとって最も見落とされているポイントです!
| 現在使っている機器 | 撤去加算 | 1台あたりの合計上限 |
|---|---|---|
| 電気蓄熱暖房機 | 4万円/台(2台まで) | 10万円+最大8万円 |
| 電気温水器 | 2万円/台 | 12万円 |
| ガス給湯器・石油給湯器 | なし | 10万円 |
| エコキュート | なし | 10万円 |
公式サイトには「エコキュートの撤去は加算対象となりませんので、ご注意ください」と明記されています。つまり、10年使ったエコキュートを新しいエコキュートに買い替える場合、撤去加算は一切つきません。上限は10万円です。
「最大14万円」という数字を掲げる記事が多いのですが、これは電気蓄熱暖房機を撤去する場合の金額です。エコキュートからの買い替えでは届きません。ここを取り違えると、資金計画が4万円ずれます。
また、撤去加算には注意点が3つあります。
- 高効率給湯器の設置に伴い、2025年11月28日以降に撤去したものに限る
- 給湯器本体の交付申請と同時に申請する必要がある
- みらいエコ住宅2026事業で高効率給湯器の補助を受ける場合は、撤去加算を受けられない
見落としがちな対象外条件
公式サイトには、補助対象にならないケースが列挙されています。実際に引っかかりやすいものを取り上げるとこんなかんじです。
- 施主支給・材工分離は対象外。ネットで本体を購入して取付だけ依頼する形は補助を受けられません
- 中古品、メーカー保証の対象外である機器は対象外
- 従前より省エネ性能が下がる機器は対象外
- 給湯省エネ2025事業で補助を受けた給湯器は対象外
- 交付を受けた機器は、6年間は承認なく譲渡・交換・破棄できない(財産処分の制限)
そして、2026年度から加わり、かつほとんど解説されていない条件があります。
個人が補助を受ける場合、J−クレジット制度への参加表明が必要です。
共同事業実施規約のなかで、事務局が指定するJ−クレジット事業実施団体(J−グリーン・リンケージ倶楽部)に入会予定であること、または地方公共団体・民間団体等が管理するプログラムに入会予定・入会済みであることを表明する必要があります。
前者を選んだ場合の入会手続きは事務局が行うため、施主側の作業は発生しません。
予算の消化状況(2026年8月22日時点)
給湯省エネ2026事業は先着順で、予算上限に達した時点で受付が終了します。公式サイトは毎日午前中に消化率を更新しており、2026年8月22日午前0時時点の数値は次の通りです。
| 予算枠 | 消化率 |
|---|---|
| 事業全体(570億円) | 38% |
| 撤去加算枠(36億円) | 19% |
着工日の対象期間は2025年11月28日から、申請期限は遅くとも2026年12月31日までです。8月下旬時点で全体の4割弱という進み方であれば、年内に急激に枯渇する可能性は現時点では高くありません。
ただし秋以降は給湯器の交換需要が増える時期にあたるため、消化ペースは上がります。
最新の数値は必ず公式サイトでご確認ください。
2026年時点でエコキュートを作っているのは6社
メーカー比較の前提として、選べる会社が減っているという事実を押さえておく必要があります。
東芝は2024年に撤退している
東芝は2024年3月31日をもって、エコキュート事業から撤退しました。「ESTIA」ブランドの製品は現在製造されていません。
2026年時点で家庭用エコキュートを製造しているのは、三菱電機・パナソニック・ダイキン・日立・コロナ・長府製作所の6社です。このうち一般家庭向けに流通量が多いのは前の5社で、この記事でもその5社を比較対象とします。
なお、東芝のエコキュートを現在お使いの場合、故障時は交換を前提に検討したほうが現実的です。エコキュートの一般的な寿命は10〜15年とされており、撤退から2年が経過しているため部品供給の見通しが立てにくくなっています。



東芝ESTIAの修理依頼では、まず本体の型番を確認し、故障内容に応じて部品の手配可否を確認するのが基本です。古い機種になるほど部品の在庫状況によっては修理できないケースもあるため、現場では「何年使っているか」だけでなく、型番の確認が重要になります。
なお、現在もESTIAの修理・メンテナンス窓口は案内されていますが、個別の部品在庫や現場に残っている台数について、メーカーから具体的な数字は公表されていません。
エコキュートのメーカー別のシェアは?
「三菱とパナソニックで市場の約50%」といった数字を掲げる記事がありますが、家庭用エコキュートのメーカー別シェアは公式に公表されていません。
流通経路が新築・リフォーム・電力会社ルートに分かれており、集計主体によって数字が変わります。
確実に言えるのは、三菱電機とパナソニックが国内で上位を争っており、ダイキン・日立・コロナがそれに続くという構図です。数値は目安として扱ってください。
5社の違いを数値で比べる
ここからが本題です。「省エネ」「清潔」といった抽象的な表現ではなく、数値と可否で比較します。
給湯水圧は方式から違う
シャワーの勢いに直結する項目です。各社の最大給湯圧はこうなっています。
| メーカー | 名称・方式 | 最大給湯圧 |
|---|---|---|
| 日立 | 水道直圧給湯 | 最大500kPa |
| ダイキン | パワフル高圧 | 330kPa |
| パナソニック | ウルトラ高圧 | 325kPa |
| 三菱電機 | ハイパワー給湯 | 290kPa |
※各社の上位機種における公称値。機種により異なります。
注目すべきは、日立だけが方式そのものが違う点です。
他社が貯湯タンクのお湯を減圧弁を通して供給する方式なのに対し、日立の水道直圧給湯はタンクのお湯で水道水を熱交換して供給します。水道の元圧をそのまま使えるため、複数箇所で同時に使っても勢いが落ちにくいという特性があります。
一方で、1階の浴室でシャワーを使うだけであれば、どのメーカーでも実用上の不足を感じることはほとんどありません。水圧が判断材料になるのは、2階・3階に浴室がある場合や、キッチンと浴室を同時に使う頻度が高い場合です。
除菌・清潔機能は搭載の有無で分かれる
配管の自動洗浄は各社のフルオートタイプに標準搭載されていますが、UV除菌機能は現状3社で搭載されています。
| メーカー | UV除菌 | マイクロバブル系 |
|---|---|---|
| 三菱電機 | ○(キラリユキープ) | ○(ホットあわー) |
| 日立 | ○ | ○ |
| ダイキン | ○(おゆぴかUV) | ○(ウルトラファインバブル) |
| パナソニック | × | ○(ウルトラファインバブル・美泡湯eco) |
| コロナ | × | ─ |
三菱電機は、キラリユキープについて第三者試験機関での試験結果を公表しています。
試験条件を明示したうえで、2時間の運転により99.5%除菌という結果を示していますが、実使用での試験結果ではない旨、および経年により性能が低下する可能性がある旨も同時に注記されています。約8年使用した場合は運転時間を30分延長することが推奨されています。
こうした注記まで含めて読んでおくのも、機能を正しく評価するコツです。



現場では、配管の自動洗浄機能が付いていても、配管内に皮脂汚れや湯あかなどが残っているケースはあります。メーカーも自動洗浄だけで十分とはしておらず、定期的な洗浄剤による配管洗浄を推奨しています。
一方、10年使用した機器の内部状態は、使用頻度やメンテナンス状況によってかなり差があります。「10年なら必ず汚れている」とは言えません。また、除菌機能については試験上の効果が確認されている機種もありますが、除菌機能があるから汚れやヌメリまでなくなるわけではありません。
設置条件で選択肢が消えるケース
ここは実際に設置する上でかなり重要で、かつ一般的な比較記事にほとんど載っていない部分です。「どれがおすすめか」ではなく「そもそも選べない」という制約があります。
| 条件 | 選べるメーカー |
|---|---|
| 耐重塩害仕様(潮風が直接当たる) | ダイキン・日立・コロナのみ |
| 井戸水・地下水を使用 | 日立(ナイアガラタフネス) |
| 薄型かつ標準圧 | パナソニックのみ |
| 床暖房対応 | パナソニックが最も充実 |
| 460Lのフルオート | 三菱Sシリーズは430Lのみ(460L設定なし) |
| 寒冷地仕様 | 全5社が主要モデルで対応(パナソニック・コロナが充実) |
耐塩害仕様は各社が用意していますが、耐重塩害仕様はダイキン・日立・コロナの3社に限られます。海に近い立地では、この時点で候補が3社に絞られます。
塩害と重塩害の線引きは、ダイキンが公表している目安が参考になります!
室外ユニットの設置場所から海までおおむね300m〜1km以内、かつ建物の影になって潮風が直接当たらない場所であれば塩害仕様、直接当たる場所であれば重塩害仕様という考え方です。地域特性やメーカーによって解釈が異なる場合があるため、最終判断は現地調査によります。



塩害は「海から何m」という距離だけで決めるのではなく、潮風が直接当たるか、建物の陰になるか、雨が当たりやすいかなど、実際の設置環境を見て判断します。海に近い現場では外装や金属部分の腐食が進んでいる機器も実際にあるため、距離だけでなく設置場所まで確認することが重要です。メーカーも距離や建物との位置関係を耐塩害・耐重塩害仕様の選定目安にしています。
2026年のエコキュートメーカー各社の動向
それでは、今年(2026年度)にエコキュート主要メーカー各社がどんな動きをしているのか、ざっとまとめたのでご参考にしてください。
パナソニックが53機種をフルモデルチェンジ
パナソニックは2026年3月25日のプレスリリースで、家庭用エコキュートの全7シリーズ53機種を3年ぶりに全面刷新すると発表しました。
- JXシリーズ以外の6シリーズは2026年6月26日に発売済み
- 最上位のJXシリーズは2026年9月発売予定
- 従来の2023年モデルは2026年9月18日に受注終了予定
- JPシリーズは年間給湯保温効率(JIS)4.1を達成
- ウルトラファインバブルは16機種、白濁させる美泡湯ecoはJXシリーズ4機種のみに搭載
補助額はシリーズによって分かれており、JX・JP・N・Cシリーズおよびフルオートのjシリーズが10万円、E・Sシリーズおよびセミオート・給湯専用のJシリーズが7万円の区分になります。
※本記事執筆時点(2026年8月)でJXシリーズは未発売です。今後情報を更新します。
エコキュートの旧型在庫を狙うという選択肢
2023年モデルの受注が9月18日に終了するということは、8月から9月にかけて旧型の在庫処分が出やすい時期にあたります。本体価格だけを見れば、旧型のほうが安く手に入る可能性があります。
ただし、ここに2026年度特有の落とし穴があります。
旧型がインターネット接続の必須要件を満たしていない場合、補助金の対象外になります。 本体価格が5万円安くても、補助金7万円を失えば2万円の損です。加算要件まで満たす機種と比べれば、差は最大10万円に広がります。
旧型を提案された場合は、次の2点を必ず確認してください。
- その型番が給湯省エネ2026事業の補助対象製品として登録されているか(公式サイトの「補助対象製品の検索」で型番から確認できます)
- 追加部品なしで要件を満たすのか、無線LANアダプター等の追加が必要なのか
エコキュートのメーカー選びの条件別・絞り込みの手順
ここまでの内容を、候補を減らしていく順番で改めてご紹介します。「おすすめ」から入るのではなく、選べないものを外していくほうが実は選びやすいこともあります。
ステップ1〜3:物理的な制約で外す
Wi-Fiが設置場所まで届くか
届かない、または宅内にインターネット環境がない場合は、「おひさまエコキュート」に候補を限定します。太陽光発電がなくても補助対象にはなりますが、本来の効果は太陽光との組み合わせで発揮されます。
海から1km以内か
潮風が直接当たる立地であれば、耐重塩害仕様のあるダイキン・日立・コロナの3社に絞られます。
井戸水・地下水を使っているか
該当する場合は日立のナイアガラタフネスが事実上の一択です。
他社機を設置すると、保証対象外になる可能性があります。
ステップ4〜6:住宅条件で絞る
設置スペースの幅と奥行きが取れるか
薄型が必要で、かつ標準圧でよい場合はパナソニックになります。設置可否は寸法だけでなく、搬入経路とメンテナンススペースも含めて現地調査で判断します。
浴室が2階以上、または同時使用が多いか
該当する場合は日立・ダイキン・パナソニックが候補です。日立の水道直圧給湯は方式が異なるため、同時使用時の落ち込みが最も少なくなります。
家族人数に対する容量
3〜5人で370L、4〜7人で460Lが一般的な目安です。容量が大きすぎると効率が落ちて電気代が上がるため、大は小を兼ねません。なお460Lを希望する場合、三菱Sシリーズは430Lのみの設定です。
ステップ7:残った候補から機能で選ぶ
ここまでで候補が絞られたあと、はじめて機能の好みが判断材料になります。
- 入浴後の配管の清潔さを重視する → 三菱電機・ダイキン・日立(UV除菌搭載)
- 太陽光発電と組み合わせる → パナソニック・三菱電機
- 初期費用を抑える → コロナ
- 家電・スマホ連携 → パナソニック
そして最後に、選んだ機種の年間給湯保温効率が、区分の目標基準値+0.2を超えているかを確認します。超えていれば加算3万円がつきます。
メーカーより結果を左右するのは施工と申請
ここまでメーカーの違いを整理してきましたが、長期的な満足度に最も影響するのは、どのメーカーを選ぶかではなく、どこに施工を依頼するかです。理由は3つあります。
補助金は業者経由でしか申請できない
給湯省エネ2026事業では、一般消費者が直接申請することはできません。事前に事業者登録を済ませた「給湯省エネ事業者」が申請手続きを代行し、補助金は事業者を経由して施主に還元されます。
つまり、登録していない業者に依頼した時点で、補助金を受け取る道は閉じます。公式サイトには登録事業者の検索機能があるので、契約前に確認できます。
前述のとおり、施主支給や材工分離も対象外です。本体を安く仕入れて取付だけ依頼する方法は、補助金と両立しません。
エコキュートの工事費をケチってはいけない理由
エコキュートの設置工事は、終わったその日は「お湯が出る」という結果しか見えないため、手抜き工事であってもお客様にはなかなか気づかれません。
しかし、エコキュートは満水になると400kg近く(大きなピアノくらい)になる巨大な設備です。これを屋外の雨風や寒さに10年以上さらし続けるため、数年後に「丁寧な工事」と「雑な工事」の差が、水漏れや故障という形でくっきりと現れます。
現場を知る人間として、一般のご家庭にもぜひ知っておいていただきたい「数年後に差が出るポイント」を4つお伝えします!
1. 配管の「防寒着」の着せ方
エコキュートと家をつなぐ配管には、凍結を防ぐための保温材(防寒着のようなもの)とテープを巻きます。
丁寧な職人は、タンクの根元ギリギリまで隙間なくきっちりとテープを巻きます。しかし、工期を急ぐ雑な工事だと、根元の配管が数センチ見えてしまっていることがあります。
たった数センチですが、そこが数年分の紫外線を浴びて劣化し、冬の大寒波のときにピンポイントで凍って破裂する原因になります。
2. エアコンの室外機のような場所から出る「水」の処理
エコキュートの室外機(ヒートポンプ)からは、稼働中に水が出ます。
きちんとした工事では、この水を排水溝までパイプでしっかり誘導します。しかし安い工事だと、そのまま地面(コンクリートの上など)に垂れ流しにされることが少なくありません。
これを放置すると、数年で室外機の周りが苔だらけになったり、冬場に水たまりが凍って、ご家族が足を滑らせる危険な原因になったりします。
3. 400kgを支える基礎の部分
設置場所の地面をしっかり平らにして土台を作らないと、後々大きなトラブルになります。
設置したばかりの頃は問題なくても、重さで地盤が少しずつ沈み、数年かけてじわじわとタンク本体が傾いていくことがあります。
タンクが傾くと、繋がっている配管が無理やり引っ張られ続けることになり、ある日突然ポキっと折れて大掛かりな水漏れを起こしてしまいます。
4. 古い配管の「使い回し」の判断
古い給湯器から新しいエコキュートに交換するとき、地面に埋まっている古い配管を「まだ使えるから」とそのまま使い回す業者がいます。
もちろん安全に使えるケースもありますが、見た目は綺麗でも中が劣化している管を無理に使い回すと、数年後に見えない壁の中や床下で水漏れが起こるリスクがあります。



この「使い回して良いかどうかの見極め」に、業者の質が出ます。
設置直後の見た目ではなく、10年目の冬をトラブルなく越せるか。 少し工事費が高くても、丁寧な施工をしてくれる業者を選ぶことは、10年間の安心を買うための大切な保険になります。
保証の対象範囲を確認する
メーカー保証とは別に、施工店が独自の長期保証を用意している場合があります。ただし本体のみが対象か、工事部分も含むかは業者によって異なります。
エコキュートの不具合は本体の故障だけでなく、配管の水漏れや電気系統のトラブルとしても現れます。保証範囲を契約前に書面で確認してください。
エコキュートのメーカー比較に関連するよくある質問
エコキュートからエコキュートへの交換でも補助金は出ますか?
出ます。ただし撤去加算は対象外です。基本額7万円、加算要件を満たせば10万円が上限になります。公式サイトに「エコキュートの撤去は加算対象となりません」と明記されています。
2026年度の補助金の申請はいつまでですか?
着工日の対象期間は2025年11月28日以降、申請期限は遅くとも2026年12月31日までです。ただし予算上限に達した時点で終了します。2026年8月22日時点の消化率は事業全体で38%、撤去加算枠で19%です。
東芝のエコキュートが故障したらどうなりますか?
東芝は2024年3月31日にエコキュート事業から撤退しています。設置から10年以上経過している場合は、修理より交換が現実的な判断になるケースが多くなります。なお電気温水器からの交換ではないため、撤去加算は対象外です。
メーカーによって壊れやすさに差はありますか?
エコキュートの寿命は各社おおむね10〜15年で、メーカー間で耐久性に極端な差があるとは言えません。「あのメーカーは壊れやすい」という評判が立つ背景には、設置環境(塩害地域・寒冷地・井戸水など)と仕様の不一致、あるいは施工品質の問題が含まれていることが少なくありません。
補助対象機種かどうかはどこで確認できますか?
給湯省エネ2026事業の公式サイトに「補助対象製品の検索」があり、メーカーと型番から確認できます。見積書に記載された型番をそのまま検索するのが確実です。追加部品が必要な機種もあるため、あわせて業者に確認してください。
エコキュートのメーカー比較方法をご紹介しました
2026年のエコキュート選びは、次の順番で進めるのがおすすめです。
- 補助金の必須要件(インターネット接続、またはおひさまエコキュート)を満たすかを最初に確認する
- 設置条件(塩害・井戸水・スペース・浴室の階数)で候補を物理的に絞る
- 残った候補から機能を選び、年間給湯保温効率が区分の目標基準値+0.2を超えるかを検算する
- 給湯省エネ事業者に登録された施工店に依頼する
「最大14万円」という数字は電気蓄熱暖房機を撤去する場合の金額であり、エコキュートからの買い替えでは上限10万円です。この前提を取り違えないことが、資金計画の出発点になります。

