エコキュートの交換費用を調べていると、「40万円から」「50万円前後」「80万円くらい」と、サイトごとに金額がバラバラで戸惑いませんか。
これは別に、書いている側がウソをついているわけではありません。補助金を引く前の金額なのか、引いた後の金額なのかが混ざっていることが、大きな理由のひとつです。
この記事では、エコキュートの交換費用と相場について、間違えやすい箇所も整理しながら分かりやすく解説していきます。住宅設備会社で働きながら、自分自身も訪問販売でエコキュートを高く買ってしまった経験のある立場から、見積書のどこを見れば損をしないのかもあわせてお伝えしますね。
なお、この記事はエコキュートからエコキュートへの買い替えを前提にしています。ガス給湯器からの切り替えは工事の中身が変わるので、別記事で扱います。
【2026年9月最新】エコキュート交換費用の相場
エコキュート交換費用の総額と、補助金を引いたあとの実質負担
まず言葉を整理します。この記事でいう「総額(コミコミ)」は、本体とリモコン、脚部カバー、標準工事、古いエコキュートの撤去処分、出張費まで、支払うものを全部足した金額です。
そこから国の補助金を引いたものが、実際に財布から出ていく「実質負担」になります。
実質負担 = 総額(コミコミ) − 補助金7万円または10万円
国の給湯省エネ2026事業では、エコキュート1台あたり基本額7万円。性能加算の要件を満たす機種なら、さらに3万円が乗って合計10万円です。
そのうえで、2026年9月時点の私の現場視点の感覚でお伝えします。
370L前後の標準的なエコキュートからの買い替えで、補助金を引いたあとの実質負担が30万円を下回る見積もりは、そう頻繁には出てきません。出せるとしたら、その地域で施工網を持っている業者か、大量に仕入れて本体の単価を下げられている業者です。
逆に言えば、実質30万円前後から、上位機種で50万円前後を見込んでおけば、相場から大きく外れることはまずありません。補助金を引く前の総額でいうと、だいたい40万円前後から60万円前後です。
給湯器の販売施工店を例に挙げると、工事費は特に問題がなければ12万〜20万円程度、本体は30万〜65万円程度、エコキュートからエコキュートへの交換の総額は50万〜80万円程度が一般的とされています。こちらは補助金を引く前の金額です。
住宅設備アドバイザー・エコ美数字を見比べるときは、まず「補助金の前?後?」を確認してくださいね。ここを揃えないと、安いのか高いのか分からなくなっちゃいます!
ただし今お伝えした金額は、標準工事の範囲で収まった場合の話です。基礎の打ち直しや配管の延長が必要になると、ここに上乗せされます。その詳細は次の章で見ていきますね。
実質30万円を切れるのは、どんな業者か
安い見積もりが出てきたとき、「なにか手を抜いているのでは」と身構える方もいると思います。でも、安いこと自体は悪いことではありません。
その地域に自社の職人や協力業者を抱えていれば、現場までの移動や段取りにかかる手間が少なくて済みます。まとめて仕入れている業者なら、本体1台あたりの仕入れ値も下がります。
問題は安さそのものではなく、その見積もりに何が入っていないかです。
特に見落としやすいのが、補助金まわりの部品です。給湯省エネ2026事業で補助の対象になるエコキュートは、インターネットに接続できて、翌日の天気予報や日射量予報に連動して昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を持つ機種(またはおひさまエコキュート)と決められています。
そして、一部の機種は台所リモコンや無線LANアダプターを追加して、はじめてこの要件を満たします。
つまり、この部品が抜けた見積もりは安く見えても、補助金が受けられず実質負担では逆転することがあるわけです。



見積もりをもらう段階で、「この構成で給湯省エネ2026の補助金は使えますか」と事前に確認しておきましょう。答えに詰まるようなら、その時点でひとつ判断材料になります。
ガス給湯器・電気温水器からの交換は、計算が変わります
ここまでの金額は、あくまでエコキュートからエコキュートへの買い替えの話です。
ガス給湯器から切り替える場合は、エコキュート用に200Vの電源を用意する工事が加わります。
大手電力会社の解説記事では、200V用のブレーカーを設置してエコキュートまで配線し、自宅に200Vが来ていない場合や容量が足りない場合は引き込み工事も必要になるとされています。あわせて、時間帯別の電力量計への取り替えも発生します。
そのぶん、買い替えより総額は高くなります。
電気温水器からの切り替えなら、補助金の側で事情が変わります。給湯省エネ2026事業には撤去加算があり、電気温水器の撤去は1台につき2万円が上乗せされます。
ただしこの加算、エコキュートの撤去には付きません。ここは後ほどあらためて触れますね。
実際にかかる正確な費用を知りたい方は、業者の無料見積もりを利用してみてください。基本的にキャンセルは無料で、修理で済むのか・交換が必要なのかの相談にも乗っていただけます。


エコキュート交換費用の内訳|本体価格と工事費
エコキュート本体は「定価」ではなく実売価格で見る
エコキュートの本体価格は、カタログの希望小売価格と、実際に売られている価格が大きく離れています。
大手給湯器販売店でも、主要メーカーの定価設定は80万〜140万円程度になるものの、実売はその半値以下で売られていることが多いとされています。同社は定価の70%OFFから取り扱っていると案内しています。
つまり、「定価の○%OFF」という表示は、業者ごとの安さの目安にはならないということです。定価の設定自体が機種で違うので、80%OFFのA社より70%OFFのB社のほうが実際は安い、ということが普通に起こります。



見るべきは割引率ではなく、最後に支払う金額のほうなのです!
エコキュートの標準工事には何が入っているか
「標準工事費込み」と書かれていても、その中身は業者ごとに違います。
目安として、一般的な住宅設備業者が挙げている交換工事の項目と費用感は次のとおりです。
| 工事の内容 | おおよその費用 |
|---|---|
| 既存エコキュートの撤去・処分 | 3万〜4万円 |
| 基礎工事(取替では不要な場合もあり) | 2万〜4万円 |
| 運搬・設置 | 3万〜5万円 |
| 給水配管工事 | 1万〜2万円 |
| 給湯配管工事 | 1万〜2万円 |
| 追いだき配管工事 | 1万〜2万円 |
| リモコン交換工事 | 2千〜5千円 |
| 電気工事 | 2万〜4万円 |
| 試運転・調整 | 1万〜2万円 |
| 電力会社申請 | 2万〜4万円 |
(出典:湯ドクター「エコキュートの設置・交換費用の相場はいくら?」)
同社の場合、エコキュートからエコキュートへの交換の標準工事費は税別148,000円と案内されています。
この表は、そのまま見積書のチェックリストとして使えます。「工事一式」としか書かれていない見積書をもらったら、この粒度で内訳を出してもらってください。
エコキュートで追加費用が出やすいのは、こんなとき!
標準工事で収まらないケースは、だいたいパターンが決まっています。
多いのは基礎です。既存の基礎をそのまま使えれば費用はかかりませんが、メーカーを変えるとタンクを固定するアンカーの位置が合わず、打ち直しが必要になることがあります。



あまり知られていないコツですが、交換では同じメーカーを選ぶと不必要な費用を避けやすい場合もあります。
次に多いのが搬入経路です。裏庭や狭い通路を通して運ぶ場合、人手が余分にかかります。クレーンが必要な現場なら、さらに費用が乗ります。
あとは配管の延長、古い分電盤の交換、それからリモコンや脚部カバーが本体価格に含まれず別料金になっているケースです。
エコキュートの本体価格を左右するもの
エコキュートのタンク容量
タンクは370L、460L、550〜560Lあたりが主流で、容量が大きくなるほど本体価格も上がります。
ただ、「何人家族なら何L」という目安は、メーカーや機種によって書き方が違います。たとえば三菱のSRT-S375UZ(370L)は販売店によって「3〜4人用」と案内されていますが、370Lを「3〜5人向け」としている解説もあります。
なので、人数だけで決め打ちせず、今のタンクで湯切れしているかどうかを基準にしてください。足りているなら同じ容量で問題ありませんし、冬場にヒヤヒヤしていたなら、ひとつ上を検討する価値があります。
エコキュートの給湯タイプ(フルオート/オート/給湯専用)
湯はりから保温、たし湯まで自動でやってくれるフルオートがいちばん高く、給湯専用がいちばん安くなります。
ここで知っておいてほしいのが、タイプの変更には配管の制約があることです。
フルオートは浴槽まで往きと戻りの2本の配管でつながっていて、オートは1本です。そのためオートからフルオートに変える場合は2本の追いだき配管を入れる必要があり、入れ替えができない現場では交換自体ができません。逆方向も同じで、配管を入れ替えられなければ変更できません。
費用を下げたくてタイプを落とすのは選択肢ですが、同社はフルオートから給湯専用への変更は勧めていません。15年使えば湯はりは5,000回以上になり、そのたびに蛇口を開け閉めする手間がかかるためです。
エコキュートの形状と設置スペース
角型と薄型があり、置き場所の幅で選ぶことになります。
設置スペースの測り方は別記事で詳しくまとめているので、そちらもどうぞ。


エコキュートの機能・メーカーによる差
ハイパワー給湯、配管洗浄、AIによる沸き上げ制御などが付くと価格は上がります。寒冷地仕様も一般地向けより高くなります。
メーカーごとの特徴は、こちらの記事で比較しています。


エコキュート補助金を使うと実質いくらになる?
基本7万円、性能加算で合計10万円
給湯省エネ2026事業のエコキュートの補助額は、基本が1台あたり7万円です。
これに加えて、性能加算の要件を満たす機種なら3万円が上乗せされ、合計10万円になります。補助の上限台数は、戸建住宅で2台まで、共同住宅等で1台までです。
対象になる機種の条件は、さきほど触れたとおり、2025年度の目標基準値以上の性能に加えて、インターネットに接続できて天気予報や日射量予報に連動した昼間の沸き上げシフトができること(またはおひさまエコキュート)です。
「最大14万円」という数字には、注意が必要です
補助金を調べていると「エコキュートは最大14万円」という表記をよく見かけますよね。
この14万円には、撤去加算が含まれています。給湯省エネ2026事業の撤去加算は、電気蓄熱暖房機の撤去が1台あたり4万円(2台まで)、電気温水器の撤去が1台あたり2万円です。
そして公式サイトには、エコキュートの撤去は加算の対象にならないと明記されています。三菱電機の補助金案内にも、同じ注意書きがあります。
つまり、今エコキュートを使っていて新しいエコキュートに買い替える方にとって、14万円という数字は最初から届かないものです。受け取れるのは7万円か10万円。ここを誤解したまま予算を組むと、あとで数万円のズレが出てしまいます。



「最大」という言葉は、条件がぜんぶ揃った人の金額です。自分の場合はいくらなのか、必ず読み替えてくださいね。
エコキュート本体だけネットで買う「施主支給」は対象外
本体をネット通販で安く買って、工事だけ近所の業者に頼む。費用を抑える方法として思いつく方もいると思います。
ただし、これをやると補助金は使えません。給湯省エネ2026事業では、施主支給や材工分離での工事は補助の対象外と定められています。
本体を数万円安く買えても、7万〜10万円の補助金を落としてしまえば逆効果です。
補助金の申請期限と、自治体の上乗せ
給湯省エネ2026事業は、交付申請の予約が遅くとも2026年11月16日まで、交付申請が遅くとも2026年12月31日までです。ただしどちらも予算の上限に達した時点で終了します。
例年、冬に近づくほど駆け込みが増えます。**「まだ12月まである」ではなく「予算が尽きたら終わり」**と考えて動くのが安全です。
また、お住まいの自治体によっては独自の補助が上乗せできる場合があります。国の補助と併用できるかどうかは自治体ごとに条件が違うので、こちらの記事で確認してみてください。


エコキュートの見積もりで損をしないためのチェックポイント
「工事一式」で終わっている見積書は、内訳を出してもらう
私が訪問販売で契約したときの書類も、金額の内訳がよく把握できないものでした。あとから相場を調べて青くなってたときにはもう遅かったんです。
工事内容の内訳がはっきりしていて、納得のいく費用の説明があるかどうか。それだけでも、業者の姿勢はかなり見えてきます。
見積書で必ず確認したい項目
本体の型番、リモコンと脚部カバーが含まれているか、古いエコキュートの撤去処分費、出張費、そして保証です。
保証は、メーカー保証と業者独自の工事保証を分けて確認してください。メーカー保証は部位ごとに年数が違います。私が設置した三菱のSRT-S375UZの保証書だと、本体・逃し弁・減圧弁・パッキン・リモコンが2年、熱交換器とコンプレッサーが3年でした。
「10年保証」とうたっていても、それがメーカー保証なのか、業者が独自に付けている工事保証なのか、有償の延長保証なのかで中身は変わります。
最後に、補助金の申請を代行してくれるかどうか。申請には写真の撮影や書類の作成が必要で、業者にとっては手間のかかる作業です。それでもやってくれるかどうかは、ひとつの判断材料になります。
訪問販売の見積もりが高くなりやすい理由
私の場合、2022年に訪問販売でエコキュートを契約しました。分割の利用金額は822,400円。手数料まで入れた分割払金の合計は1,008,019円でした。


ただし、これはガス給湯器からの切り替え工事なので、この記事で扱っているエコキュートからの買い替えとは条件が違います。単純に「相場の倍」と比べられる金額ではありません。
それでも、営業の人件費や訪問のコストが価格に乗ることは確かです。



今見たらエコキュート1台にとんでもない金額を支払っています…!今でこそ話のネタにできますが、相場から大きくかけ離れた金額にびっくりしています。
エコキュート交換の費用を抑えるコツ
給湯器が完全に壊れる前に動こう
これがいちばん大切です!
お湯が出なくなってから探すと、在庫がある業者を選ぶしかなくなります。相見積もりを取る時間もありません。
エコキュートは時期によって取り寄せに日数がかかり、一人では交換できないため複数人の手配も必要になる場合もあります。
しかも給湯機器は、水温が下がる冬場に故障が集中します。工事も修理もその時期に重なるので、比較的手が空いている夏場のほうが価格の交渉もしやすくなるという側面もあります。



調子が悪いな、と思ったときが動きどきです。お湯が止まってからでは選択肢がかなり限られてしまいます!
同じメーカー・同じタイプを選ぶのが一番シンプル
さきほど触れたとおり、メーカーを変えると基礎のアンカー位置が合わず、打ち直しが必要になることがあります。給湯タイプを変えれば配管工事が増えます。
こだわりがないなら、今と同じメーカー・同じタイプで見積もりを取るのがいちばん工事がシンプルです。
オーバースペックを避ける
家族が減っているのに必要以上に大容量をのサイズを選ぶ、使わない機能の付いた上位機種を選ぶ。こういう買い方をすると、本体価格だけが上がります。
一方で、湯切れが心配な家庭が容量を落とすと、今度は沸き増しが増えて使い勝手が落ちます。今の使い方に合っているかどうかで決めるのがおすすめです。
エコキュート交換時期の目安と、修理か交換かの判断
部品がいつまであるかで考える
エコキュートの寿命は10年前後と言われますが、はっきりした根拠として使えるのは部品の保有期間のほうです。
パナソニックの公式サイトでは、エコキュートの補修用性能部品の保有期間を製造打ち切り後9年〜10年(販売年により異なる)としています。
この期間を過ぎると、直せるはずの故障でも部品がなくて修理できない、ということが起こります。
実際、私が2022年に設置したSRT-S375UZも、現在は廃盤です。後継のSRT-S376UZも2025年5月末で販売終了と案内されています。



エコキュートは1年程度でモデルが切り替わるので、製造打ち切りは思ったより早くやってきます。
エコキュートの修理と交換の分かれ目
10年以内で、部品もあり、故障箇所がひとつなら修理で十分なことが多いです。
一方、設置から10年を超えていて、ヒートポンプ側の不具合が出ているなら、交換を検討する場面だと思います。修理してもまた別の場所が壊れて、結果的に費用がかさむことがあるからです。
判断に迷ったら、修理費の見積もりと交換費用の見積もりを、両方取ってみてください。片方だけ聞くと、どちらが得なのか分からないまま決めることになります。
エコキュートの交換費用に関するよくある質問
工事は1日で終わりますか?
標準的な交換工事なら、当日中に終わってお湯が使えるようになるのが一般的です。また、稀ですが基礎の打ち直しや電気工事が入ると、日をまたぐこともあります。
工事の日はお湯が使えませんか?
作業中は使えません。前日のうちにお湯をためておく、当日の入浴を外で済ませるなど、段取りをしておくと安心です。
延長保証は付けたほうがいい?
メーカー保証は部位によって2〜5年程度で切れます。10年使うつもりなら、後半の数年は保証がない期間になります。修理費と保証料を見比べて判断してください。
補助金の申請は自分でできますか?
給湯省エネ2026事業の申請は、登録事業者が行う仕組みです。購入する業者が登録されているかどうかを、契約前に確認してください。
エコキュートの交換費用の相場について解説しました
最後に、ご紹介した中で特に大事な数字だけおさらいします。
エコキュートからエコキュートへの買い替えは、補助金を引く前の総額で40万円前後から60万円前後、国の補助金7万円または10万円を引いた実質負担で30万円前後から50万円前後。これが2026年9月時点のひとつの目安です。
そして買い替えの場合、撤去加算は付きません。受け取れるのは7万円か10万円で、「最大14万円」ではない。ここだけは覚えて帰ってください。
あとは、見積書の内訳を出してもらうこと。壊れる前に動くこと。この2つで、支払う金額はずいぶん変わります!



